せり人ってどんなことするの?

早朝開かれる卸売市場の「せり」を仕切る

中央・地方の卸売市場においては、日々朝早くから消費者がその日に小売市場で手に入れられるよう新鮮な魚や野菜・果物・花などが出荷者と業者間で取引されます。
せりとは現代風に言えばオークションで、買う業者(仲買人)が値段を掲げて競争し、最も高値を掲げた人が買う権利を得る取引システムです。

卸売企業に勤めるせり人の業務は、対象となる鮮魚や野菜などを出荷する生産者や農協、漁協と買う業者が市場で行うせりを取り仕切り売買価格を決定する事です。
魚や野菜のせりにおいては、「手やり」という独特の指のサインを示して価格が提示されます。
このサインは市場によっても異なり毎年フグの取引が始まると下関の市場で行われる「袋せり」がニュースとなります。
せり人は、多数(ケースにより数十人)の仲買人から次々と繰り出される手やりを誤りなく判定し、テンポよく効率的に落札者を決定していきます。

消費者間のオークションの経験者はすぐに理解できると思いますが、出来るだけ高値で売りたい出荷者と出来るだけ安値で買いたい仲買人の当然の意識の差があります。
せり人は両者の間に立ち会い、公平な取引を仕切る重大な責任があります、
このことは、適切な価格で消費者市場にも生産物が流通することを意味しており、その責任は広く価格決定権に影響を与えるのです。

せり人に向いた方

せり人の朝は早く、3時半くらいから仕事が始まります。
だからと言って、「自分は夜更かしだから絶対に無理」と敬遠する必要は全くありません。
せり人となったほとんどの方は、入社前はそんなに早起きをしていませんでした。
結局、早起きは慣れ次第で多数のせり人は、仕事を終えて帰宅したのち2~3時間程度の仮眠をとり、アフターファイブを充実させているのです。

せり人に求められる特有の資質として気の強い強者揃いの仲買人達をまとめ、一本気な漁師にも信頼されるカリスマ性が挙げられます。
また、一発勝負のプレッシャーをはねのけ、スリルを楽しむ度胸も重要です。
市場というステージで自らを表現する意味で役者タイプの方に向く仕事とも言えます。

せり人の現況と将来性

全国の鮮魚市場についてみると、都道府県所管の卸売市場は50あまり、市町村所管の市場は650あまり存在し、その両方で鮮魚せり人が活躍しています。
市場当たりでみればせり人の数は、1つの市場に数人~50人程度で多くはありません。

かつてと比較すると国内の水産業の縮小に伴いせり人の数も減少しています。
しかし、せり人には長年の経験に基づく職人技が求められており、昨今では業界が一丸となって若年層の育成に力を入れており、退職後のベテランが指導役としてマンツーマンで若手を育てるケースもある程です。
このような現状を勘案すると、せり人を目指すことは、今大きなチャンスを迎えていると言えます。